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仕事と育児とヒュッゲ

国家資格キャリアコンサルタント試験に合格しました

ども、お久しぶりです。すぎやまです。

資格試験が終わったらコンスタントにブログを更新していくはずが…気づいたら1ヶ月近くも放置してしまいました。

嫁さんからも「最近、ブログ書いてないよね?」と言われてしまい「あはは…」と笑ってごまかすしかない状態に。これは良くないなと思い、パソコンの前でペチペチとキーボードを叩いております。

最後の更新日を確認すると8/19となっていて、どうやら合格発表の前日を最後に更新が途絶えていたようです。タイトルにも書きましたが、無事に「国家資格キャリアコンサルタント試験」に合格をしました。

国家資格としては異例なほど高い合格率を誇る試験なので、合格したことは別に自慢もなにもありません。ただ学科試験が92/100点で実技試験もオールA判定だったことはちょっとだけ自分を褒めたいですかね。

とはいえ「キャリアコンサルタントってなんぞや」という方も多いと思います。まだ「産業カウンセラー」のほうが知名度高いですしね。

キャリアコンサルタントとは端的に言えば「自分のキャリアに悩む人を支援するプロ」と表現できるでしょうか。「自分の仕事や働き方」について悩んでいる人は多くいます。そんな方たちが前を向いて1歩を踏み出していけるようにサポートすることが、キャリアコンサルタントの役割だと私は考えています。

そんなこんなで資格合格後からは、一緒にスクールへ通っていた仲間とキャリアコンサルタントとしてビジネスを立ち上げるために奔走していました。なのでブログをなかなか更新できなかったんですよね。(というのは言い訳で、ブログを書く時間なんていくらでも作れるわけで、ただ単にサボっていただけです。)

これからはキャリア形成支援のプロになるべく、いろいろと勉強し自己研鑽するとともに、悩める方のサポートをしていければと思っています。このブログはそうした日々での気づきや、息子の成長について私が考えることを書いていければと思います。気長にゆっくりやっていきましょう。人生はまだ長いのですから。ではまた。

「同一労働・同一賃金」で給料は上がるのか下がるのか

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ども、ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。

今日は気分を変えてコメダ珈琲でブログを書いています。運動不足解消のために自転車ではるばる来たんですけど暑かった…。やっぱりこんな猛暑日に無理するもんじゃないですね。

でも個人的にコメダ珈琲は大好きな喫茶店の1つなんです。座席もゆったりしていますし、流れる時間もゆっくりに感じられます。とても落ち着いて過ごせる数少ない喫茶店ではないでしょうか。ちょっと長居するにはぴったりの場所だと思います。

さて今回は「同一労働・同一賃金」について、こんな記事が上がっていたので少し考えてみたいと思います。

this.kiji.is

2020年の4月から正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差をなくすため「同一労働・同一賃金」がスタートします。簡単に言えば「同じ仕事をしているのであれば、雇用形態の違いで賃金に差をつけてはいけませんよ」ということです。

派遣社員も正社員も全く同じ仕事をしているのに、雇用契約の違いだけで賃金に差があるという職場は結構あります。確かにこれは不合理と感じられる部分がありますよね。同じ仕事してるのに給料が違うってどういうこと!?と不満を抱えている人も多いと思います。(正社員の間でも存在する問題です…)

日本は政府が政策的に非正規労働者を増やしたわけですから、このあたりの不満には対応しなければなりません。そこで「同一労働・同一賃金」となったわけですね。ただこれによって、不当に低い賃金をもらっていた労働者の懐が暖まるかと言われると、現実はそう簡単にはいかないようです。

上の記事によれば「同一労働・同一賃金」の開始によって、調査に応じた大企業のうち、およそ半数は「非正規社員の賃金は増える」と回答しています。これは喜ばしいことですが、手を返せば残りの半数は「増えない」と回答しているんですよね。さらに約15%の企業は「減る」とさえ言っています。

同一労働・同一賃金で何が起こるのか

結局のところ、同一労働・同一賃金は私たちの生活に何をもたらすのでしょうか。まず最初に起こるのは「仕事の範囲や責任についての見直し」だと考えられます。そもそも正社員と非正規社員が同じ責任範囲で仕事をしているというのがおかしいわけで、正しく仕事を割り振り直さなければなりません。

簡単に言うと「仕事の線引き」をやり直すということですね。「ここからここは私、ここからここがあなた」こういう当たり前の線引きができていない企業は意外なほど多く存在しています。吉本興行と同じで、日本の企業は具体的な仕事の範囲や責任を契約書で交わさない文化がありますからね。

これは海外では全く考えられないことなので、そういった意味ではこれから日本企業でも具体的な仕事の範囲や責任について契約書を作る企業が増えていくかもしれません。

で、そうしたことをやっていくと給料は上がるのか下がるのか。個人の目線では上がる人と下がる人の両方が出てきます。企業としては、人件費に使える原資は限られていますので、全体としては変わらないように調整が行われるでしょう。

ただ良く言えば賢い企業、悪く言えばズルい企業ではこれを人件費を引き下げる良い機会と捉えるかもしれません。「よし、正社員の賃金を非正規に近づけよう」と悪巧みする経営者は必ずいるはずです。

そうした罠にかからないためには、「責任を持つ仕事」を1つでも増やしておいた方が良いと考えられます。どうしても責任の軽い仕事、リスクの少ない仕事というのは正社員がやらなくても良いわけで、どうしても賃金を下げる対象になっていきます。

4月の「同一労働・同一賃金」を前に自分の賃金を少しでも上げたいと思う方は、「仕事のリスク・責任をとる」あるいは「自分でないとできないこと」そんなことに着目して、取り組んでみると良いのではないでしょうか。

ノーリスク・ノーリターン。そんな日本社会になっていくのかもしれませんね。ではまた!

絶対に笑ってはいけない「7Pay 終了」

ども、ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。

全国的に猛暑が続いていて、梅雨だったのが嘘のような天気ですね。そんな中、7Payが終了するという嘘のようなニュースが舞い込んできて、思わず笑ってしまったと同時に「これを笑ってはいけないな」という気持ちがわき上がってきたので、今日はそんな話を書きたいと思います。

7Payはなぜ終了するのか?

思ってみれば私たちが7Payと知り合ったのは7月1日のこと、まだ知り合ってちょうど1ヶ月しか経っていません。でもその出会いは衝撃的でした。

まずサービス開始からたった1日で不正アクセスが急増。被害額は5500万円近くにのぼり、逮捕者がでる騒ぎに発展しました。中には国際的な詐欺組織も手を出していたとされる報道もあり、開始した途端にここまで悲惨なことになるサービスとは初めて出会ったような気がします。(PayPayもまぁまぁ酷かったですが)

それからに7Payはサービス開始の2日後にクレジットカードおよびデビットカードによるチャージを停止。事実上の凍結状態になっていました。その後の記者会見でも「社長が2段階認証を知らない」ということが話題になり、多くの人が呆れた果ててしまったことは記憶に新しいところです。

その後は恐らく被害の保証や新しいセキュリティー構築に四苦八苦していたのでしょうが、7月30日になって事態は急変します。セブンイレブンとしては、なんとか問題を収拾し、7Payのサービス再開を急ぎたかったのでしょう。

「全利用者のパスワードをリセットする」

という前代未聞の暴挙に出てしまいました。

突如としてログイン不能になった利用者は混乱し、再度ログイン出来なくなってしまう人や、「残高が消えた!」と思い込む人が続出。まさに阿鼻叫喚と呼ぶに相応しい事件へと発展していきました。

時を同じくして、お金をチャージしていないはずの7Payアカウントでなぜか買い物ができてしまう(つまりタダで買えた)という謎現象も発生し、セブンイレブン側ももはや何から手をつけて良いか分からない状況になってたのだと思います。あえなく本日「7Pay、9月30日に終了」という運びになりました。

サービス開始からわずか3ヶ月。とはいえ、7Payをまともに使うことができたのは恐らく24時間もなかったことでしょう。まぁこの部門の責任者は間違いなくサヨウナラというレベルの大失態です。

ここまでのことになってしまうと、まぁサービス再開したとしても積極的に使おうという人はそういないでしょう。そもそもセブンイレブンではPayPayやLINE Payというサービスを使えますし、なによりnanacoという独自サービスも継続されているので、7Payは生まれる前からアイデンティティーを喪失したような子どもだったと言えます。

「終了しても誰も困らない。」7Payはそんな哀愁あふれるサービスだったのです。

絶対に笑ってはいけない7Pay終了

7Payについては「あまりにもお粗末」という他ない仕様と対応で、終了するのは必然のように思えますが、私は今回のセブンイレブン側の「スピーディーなサービス終了判断」をある意味でとても評価しています。

ちょっと考えてみてください。「7Pay導入のコスト」はいったいいくらくらいでしょうか?システム構築、設備投資、店舗オペレーション、マニュアル作成、広告などなどを考えると、とてつもない費用がかかっていることは明白です。

さらにいえば、意気揚々と開始したサービスをあっさり終了するというのは、セブンイレブンのブランド価値も大きく毀損するようにも感じられます。普通の会社なら恥ずかしくてできないはずです。

「このまましばらく凍結して、ほとぼりが冷めるのを待って再開しよう」とか考えるのが一般的ではないでしょうか。というか多くの経営者は自分が間違っていたと認めることができないので、多少かたちを変えてでもなんとか実現しようとしてしまいます。

それがセブンイレブンの場合はあっさり見限る決断ができたんですね。これは素直に凄いことだなと感じました。そして失敗を認め、すぐに修正できることは、長期的にみれば正しい経営判断だといえると思います。

このあたりは「コンビニ」という業態が関係しているのかもしれません。コンビニでは実に多くの新商品がほとんど毎日のようにリリースされています。当然、その全てがヒット商品になるわけではなく、多くの失敗を経験した上でその中の一部がヒット商品になり、ロングセラーとなっていきます。

そう考えるとコンビニという業界においては「失敗する」というのは、結果ではなくプロセスなのかもしれません。「失敗した商品はすぐに生産をやめて、また新しいものに挑戦すればよい。」そんな気質があるからこそ、コンビニは常に新しい商品を作り続けることができるのだと思います。(絶対に失敗できなかったら新商品開発なんて誰もやりたくないですからね。)

7Payは大失敗でしたが、セブンイレブンとしてはそれを認め、すぐに終了するという決断をすることができました。こういう経営判断ができる会社は、実は日本ではそう多くないのではと思います。

セブンイレブンに対しては不正利用の被害者に対して真摯に向き合ってもらいたいと思いつつ、私たちは今回の件の教訓として「本当に駄目だと思ったら、すぐに引き下がる覚悟」というものもまた学ばねばと思うのでした。

あなたはどう思いましたか?ではまた!

究極の働き方改革!社員を個人事業主にするタニタの取り組みは日本を変えるか

ども、ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。

今日は月曜日ですから、仕事モードに切り替えるのに苦労する人も多いのではないかと思います。私は月曜日の負荷を減らすために、月曜日の朝にやらないといけないこと(家事とか仕事の準備とか)は、できるだけ日曜の夜に終わらせるようにしています。

そうするだけで月曜の朝を少し落ち着いてスタートすることができますし、ゆっくりと歩き出すことができると思うのです。

さて、あなたは今朝、どんな気持ちで仕事に向かったでしょうか?「さぁ、やるぞ」と思いましたか?それとも「行きたくないなぁ。」と思ったでしょうか?もしも後者ならば、なにかを考え、行動してみる必要があるように思います。

人が働く理由や動機は、人それぞれ。だから本当は「働き方」だってもっと多様性を持っているべきだと私は考えています。

そんな働き方の多様性を究極的なところで実現しようとしている会社がありました。それが体重計や健康食で有名なタニタです。

business.nikkei.com

タニタが取り組んでいること、それは「社員を個人事業主にする」ということなのです。一体どういうこと?と思った方は、ぜひ上の記事をチェックしてみてください。

簡単に言えば、タニタでは希望する社員に対して、雇用契約を終了し、新たに業務委託契約を結ぶことを始めました。つまり社員は会社を辞めて個人事業主として独立するということになります。

独立するわけですから、出社時間も退社時間も、それどころか休日さえも会社に拘束されることはありません。とはいえ、いきなり独立しても困るでしょうから、直前までタニタ社員として行っていた業務を「基本業務」としてタニタから委託され、報酬についても直近の給与額などを考慮して、「基本報酬」が決定されるようです。

これはある意味で過激な取り組みであると同時に、究極的な働き方改革だと言えそうです。だって自由に働く権利を得ると引き換えに、会社との雇用関係を終了しちゃうんですから。

ただ個人事業主をしている立場からすると、これほど恵まれた環境で独立をスタートできることもなかなか無いと感じます。税理士やら社会保険料なんかもかなりの部分をタニタ側が面倒みてくれるようですし、なによりも最初から仕事がある状態で独立をスタートできるわけですからね。「いつかは独立を」を考えている方には良い制度だと感じます。

一方で、この制度を利用することで将来に不安を感じる人もいるでしょう。業務委託って言ってもいつまで契約してもらえるのか?と不安に思う人もいるはずです。そういう人は、この制度を使うべきではないでしょう。

ただ業務委託というもの自体、そもそもずっと続くものではないんですよね。でもそれは会社だって同じこと。会社がいつまで続くのかなんて誰にも分からないのですから。

それならば、会社に養ってもらうか、それとも自分で稼ぐ力を身につけるか。タニタとしては、自分で稼いでいけるような優秀な社員を育て、そんな人と仕事をしていきたいと考えているのだと思います。

働き方改革とは、単なる残業や長時間労働を抑制するだけの取り組みではなく、会社が生産性を向上し、競争力を高めることのはず。そういう観点からみると、タニタの取り組みは、劇薬的に感じる部分もありますが、理にかなっているようにも思います。

タニタの社長が言うには「2021年春に入社する新入社員は、全員が個人事業主になることを前提として採用するつもり」とのこと。この挑戦がうまくいくかどうか、個人的にはとても興味深く思うとともに、本当に働き方が変わる時代がきているなと改めて実感しました。あなたはどう感じたでしょうか?ではまた!

タニタの働き方革命

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  • 作者: 谷田千里,株式会社タニタ
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新卒で年収1000万円!お金で優秀な学生は買えるのか?

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ども!ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。今日は久しぶりに就活の話を少し書きたいと思います。

ニュースによると7月1日の時点で、20年春に卒業予定の大学生のうち、なんと85%が内定をもらっているそうで70%の学生は就活を終えているとのことでした。これは過去最高の数字ということなので、企業がいかに人手不足を危惧しているかが分かります。

会社の景気はそれほど良くなくても今から人材確保や育成に力を入れておかないと、将来的に行き詰まる状況が見えているのかもしれません。そんな動きは、就活生の「お給料」にも反映されてきています。

www.nikkei.com

NECは今年の10月から人事制度を改定し、若手研究者でも論文などの実績があれば新卒でも1000万円を超える報酬を支給すると発表しました。個人的には「まだそんな対応もできていなかったの?という印象ですが、やはり相当優秀な人材を持っていかれていると感じてのことなのでしょう。

NECの他にも、外食チェーンのくら寿司が幹部候補の新卒生を1000万円で募集するということで話題になりました。年収の低いといわれる外食業界で、新卒1000万円は異例中の異例ですよね。これは私もビックリしました。

www.nikkei.com

ただこちらは年収1000万円が固定というわけではなく、貢献度によって毎年給与を見直すということなので、ちょっと怪しい気もします。「貢献度低かったから来年からは500万円で〜」とか普通にありそうな予感。っていうか新卒がいきなり会社に貢献できるはずもないし…若干パフォーマンスの入った募集なのかもしれませんね。

こんな感じで、今日本では優秀な新卒者を高給で買っちゃおうという動きが活発化してきています。この「優秀な人材を高いお金で買う」というのは、日本に馴染みのある方法ではなく、どちらかというと海外っぽいやり方ですよね。果たしてこの方法が日本でうまく行くんでしょうか?

結論からいえば「お金だけ」で優秀な学生を集めるのは、やっぱり難しいでしょうね。優秀な学生というのは、やはり業界や会社、そして自分のキャリアを冷静に判断しますから、目先の年収1000万円に釣られる可能性はあまり高くないと思われます。逆にいえば「年収1000万が魅力!」といって集まってきた学生はあまり優秀とは言えないでしょうね。

ただ、くら寿司のように業界的に低賃金だったところに大きな報酬を掲げることは、これまでその業界に興味がなかった学生の関心を引く効果はあるかもしれません。あるいは興味はあったけれど、業界的に低賃金なので諦めていた学生には喜ばれる施策だと言えます。

しかしそうやって高い金額で集めた優秀な学生については、入社後もよほど注意して育成をしないとすぐ逃げられてしまう可能性は高いと思われます。新卒のうちからどの程度、やりがいを与えられるかというのは大切になりそうです。

でもまぁ新卒のうちからそうやって給与に差をつけていくやり方っていうのは、日本でうまく運用できるんでしょうかね?1000万円で入社してきた後輩に、それ以下の年収の先輩はなんて声をかけたらいいんでしょう?そんなことを考えると、日本式の経営方法のままで給与の金額を大きく変えてしまうのは、現場に難しさが生まれるような気がします。

それにしても企業の人材募集って結局最後はお金で釣るしかないんですかね。外国人を呼んでくるならまだしも、日本の学生に来てもらうのにお金を使うしかない日本企業って、私はなんだか悲しい気がします。みなさんはどう思いますか?ではまた!

社員が成長するシンプルな給与制度のつくり方

社員が成長するシンプルな給与制度のつくり方

日本は世界で1番「働く世代の負担」が重い国になってしまいました。

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ども、ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。

いよいよ資格試験の日が近づいてきておりまして、ここ数週間は根詰めて勉強をしているのでなかなか更新ができない状態となっておりました。

しかしそのおかげで模試では好成績を残すことができたので、少し安心してこのエントリーを書いております。試験が終わるまでは不定期更新となってしまいますが、ゆっくりやっていこうと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

さてブログを更新しない間に、世間では「老後2000万円問題」が思った以上の衝撃として受け止められましたね。私の方でもこの問題はいち早くトピックスとしてキャッチしておりました。

www.walkslowly.life

金融庁が作成した「老後を不自由なく暮らすには1500万円〜2000万円くらいの蓄えが必要である」という旨の報告書は、「年金100年あんしん」を掲げる政府の主張を覆す内容と受け取ることもでき、「年金はやっぱり駄目ということなのか」という批判の的になりました。

この批判を受けて麻生太郎金融担当相は、この報告書を「不適切だった」と謝罪し、同時に「世間に著しい不安や誤解を与えており、これまでの政府の政策スタンスとも異なる」として、金融庁の報告書を受け取らないという対応を行っています。

でもこれってどうなんでしょうね?報告書を受け取らなければ、この問題って無かったことになるんでしょうか?それは「見て見ぬフリ」が過ぎるような気がします。

また金融庁によれば老後に必要な財産は「3000万円」であるという試算も存在しており、実際はもっと酷い状況なのかもしれません。というか今の30代が定年になるころには、そのくらいになっているでしょう。

老後最大3千万円 別の試算も | 2019/6/18(火) 6:59 - Yahoo!ニュース

この報告書が問題だったのは「みんな薄々気づいていたこと」を急にあからさまに言ってしまったことですね。みんな心の準備っていうものがあるわけで、どう考えてもそれくらい必要だと分かっていても、いざ実際に数字を突きつけられると混乱してしまうわけです。

もうちょっとオブラートに包むとか、段階を踏んで公表すべき内容だったと思います。でもね、やっぱりどう考えてもこの報告書はその通りのことを書いてるんですよ。だから私たちもその厳しい現実を受け止めて、どう長く働くか、どう資産を作るかを真剣に考えないといけないのです。だって金融庁は、個人個人で今から備えてくださいって言ってるんですから。

そんな話題が冷めない中、日本が「不名誉な世界一」に選ばれたニュースが入ってきました。

www.tokyo-np.co.jp

日本という国は、どうやら世界で1番「働く世代の負担が重い国」になってしまったようです。65歳以上の人口に対する25~64歳の人口の比率を示す「潜在扶養率」で日本が世界最低の1.8を記録したとのこと。

簡単な言葉で説明すると、日本は65歳以上の老人1人を1.8人の働く世代(25〜64歳)で支えているということになります。アメリカでもだいたい老人1人に対して3人で支えていますから、日本の負担がいかに大きいか分かります。

これからも日本の「潜在扶養率」はどんどん悪化していくことが予想されていますので、このまま何も手を打たなければ最終的には1人の老人を1人の現役世代が支えるような社会になるのかもしれません。イメージしやすく言えば、あなたの月給から老人1人が1ヶ月生活できるお金(税金)が引かれるということです。

最初の話に戻りますが、こんな状況でどうやって老後までに「2000〜3000万円を貯める」なんてことができるんでしょうか?どう考えても厳しいですよね。現に終身雇用とバブル経済を経験したであろう今年60歳=還暦になる人の貯蓄額を調べると、25%の人が100万円未満という結果になったそうです。

還暦の貯蓄額25%が百万円未満 2千万円に遠く届かず | 共同通信

裕福だったはずの上の世代がこんな状況ですから、私たちの世代でどうやったらこれまで以上の貯蓄ができるのか。問題は深刻です。ちなみに日本の民間サラリーマンの平均給与は2001年をピークに下がっており、ここ数年は人手不足の影響で上昇傾向にあるものの、まだピーク時には及ばない状況。

サラリーマン年収|年次統計

しかもこの20年間で給与が下がっているのは、先進国ではほぼ日本だけと言われています。

なぜ日本のサラリーマンの年収はいつまで経っても低いままなのか - ページ 3 / 3 - まぐまぐニュース!

この20年間、世の中はとても便利になり、社会は進歩しているように思われます。今1999年当時の映像を見たら、古臭く感じるでしょう。ところが実際には給与所得だけでみると、私たちはその頃よりも貧しい状況になっているんですよね。

これは一体どういうことなんだろうか。そんなことを考えずにはいられません。この20年間、日本人は本当に勤勉に働いてきたと思います。労働による過労死や自殺がこれほど社会問題になっているのは、日本人がいかに責任感が高く勤勉であるかの裏返しではないでしょうか。

ただ今の世の中には上で指摘したように「勤勉さ」だけでは乗り越えられないような大きな問題が出てきています。だからこそ、私たちはこれまでの労働に対する価値観を改め、この問題に対処していかなくてはと思うのです。あなたはどう思うでしょうか?ではまた!

買った家に住めず、家族とも暮らせない「転勤」という制度

ども。ゆっくり歩いてますか?すぎやまです。

最近また「転勤」に関する話題がTwitterで盛り上がっていましたね。育休明けからたった2日で関東から関西への転勤辞令が出され、退職せざる負えない状況になったという話でした。

転勤や退職の事情は会社と個人の双方に言い分があると思うので一概にどっちが善悪とは断定できませんが、こういう問題はこれからも話題になっていくんだろうなと感じています。

そもそも日本国憲法では第22条第1項で「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と明記されています。憲法に書いてある権利というのは、日本人が生きていく上での最も基本的な権利です。憲法の内容を細かくフォローするためにあるのが法律ですしね。

逆にいえば「どこに住んでどこに引っ越してどんな仕事をするかは」というのは、誰かに侵害されてはならない大切な権利だということでもあります。例えば国や政府が個人に対して「あなたはここに住みなさい」とか「あなたはこの仕事をしなさい」というのは、当たり前ですができないということです。

でもそれが「会社」となるとできるんですよね。辞令を1つだせば、会社は個人の住む場所も仕事内容も、全て決めてしまうことができます。いわば会社で仕事をするということは、自分が持っているとても大きな権利を譲渡している状況にあるわけです。

もちろん会社と信頼関係があって、お互いがお互いにメリットのある状態ならなんの問題もないでしょう。ただ今回のような育休明けから2日目で転勤辞令を出して、その人の家庭を崩壊させるようなことをしてしまっては、うまくいくはずがありません。

ただ大きな企業がこうして社員の生活を全くかえりみない辞令を出せるのも、そう長くはないのではないかと思っています。というのも「転勤」という制度そのものが、ある程度、終身雇用を前提とした制度であり、日本の終身雇用というのは既に終わってしまっているからです。

現在、新卒社員を雇って立派に育て上げるほどの余裕が、多くの企業には無くなってきています。最近の大企業は早期退職募集の年齢を45歳に設定しているケースが増えてきました。また学生側も「この会社で一生頑張ろう」と思って就職するケースは少なくなりつつあります。有名大学の学生はみな外資系コンサル会社に就職を希望しているようです。

そんな状況を見ていると、いつまでも「転勤」を掲げる企業には優秀な学生は集まらなくなるだろうなと想像できます。とある調査によれば、就活生の約67%は転勤を嫌だと考えているようです。逆に考えると転勤をなくせば、就活生の心をグッと掴むことができるわけですね。

ただ私も大企業で働いた経験があるので分かりますが、転勤を廃止するというのは現実問題として難しいと思います。とはいえ、AIG損保は全国転勤を原則廃止しましたし、サントリーやキリンでは「転勤を最大5年間猶予される」とか「5年先、10年先の転勤希望について毎年上司と相談する」といった制度を取り入れています。

ようするにこれらの企業は何をやっているかというと、「本人の希望しない転勤」を廃止しているんですね。これは憲法に明記された個人の権利が尊重された素晴らしい取り組みだと思います。なにも転勤を全て廃止しなくても、できることはあるんですよね。本人の希望をきちんと確認すること、まずそこからではないでしょうか。

どこに住み、誰と生活するかというのは、考えている以上に人生においてはとても大切なことです。せっかく買った家に住めず、家族(特に小さな子ども)とも離ればなれ。そんな状況になってしまったら、一体なんのために仕事をしているのか分からなくなってしまいます。

今の日本企業が行っている全国転勤という制度は、間違いなく悪習であり、日本人の幸福度を著しく下げるものだと思っています。まずはこうした話題をきっかけに、「転勤ハラスメント」が認知され、なくなっていく世の中になっていけば良いなと心から思います。ではまた!